特異値分解のステップ
特異値分解の復習。
特異値分解は、m×n行列Aに対して、下記のように分解する。
・A:m×n
・U:m×nの直行行列
・Σ:m×n
・ :n×nの直行行列
単位ベクトル(左特異ベクトル)、Aの特異値σ、単位ベクトル(右特異ベクトル)を用いると、下記のようにあらわせる。
Aを分解するために必要な情報はの3つである。これは、およびをそれぞれ固有分解することで求められる。
1. Vを求める
Uは直行行列なので、となり、打ち消せる。
これは、固有値分解の公式で、Aがに、Λがに変わったものとみなすことが出来るので、固有方程式から以下が成立する。
これを解いて、を得る。
Σの特異値をとすると、
となるので、が成立する。
よって、Aの特異値は、
Aの右特異ベクトルVは、の固有ベクトルを単位ベクトルに変換すればよい。
2. U,∑を求める
右特異ベクトルは冒頭の定義式より
より、Uは下記のようにあらわせる。
あるいは、
よって、
3.計算例
例として、 を分解する。
と計算できる。行列式は下記になる。
よって、の固有値は下記になる。
ここで、の固有値はとなるので、右特異ベクトルは、を計算し、
に関しては、他の固有ベクトルと直交しているという条件から求める。
すなわち、
左特異ベクトルを求め、下記に分解できる。
との関係
[tex AA^Tu=λu]とすると、
Av=uと置くと、とみなせる。